今秋(2018年)九州電力で現実化した出力制御。
今や太陽光発電の事業運用にとって最大のリスクといってもよいでしょう。

では、中国電力地域の出力制御リスクはどうなっているでしょう?

 

現在、どの程度まで現実的なリスクが高まっているのか、まとめてみました。

朝日と太陽光エネルギー

中国電力地域で近づく電力過剰供給

中国電力は2018年11月13日のプレスリリース
中国エリアにおける再生可能エネルギーの設備量増加に伴う発電事業者への優先給電ルールのお知らせについて

において、以下のような報告をしています。

中国エリアにおいては,「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)」施行以降,再生可能エネルギー(以下,再エネ)発電設備の導入が増加し,太陽光発電設備および風力発電設備の接続済み設備量の合計は,平成30年10月末で451万kWとなっております。

このような再エネ発電設備の増加に対し,当社は,電力広域的運営推進機関が策定した「優先給電ルール」に基づき,中国エリアに接続している火力発電設備の出力抑制や揚水発電設備の運転,また,連系線を活用した広域的な系統運用等により,中国エリアの需給バランスの維持に努めてまいります。
これらの対策を行ってもなお,供給力が需要を上回る場合には,電力の安定供給を維持する観点から,同ルールに基づき,再エネ発電設備等の出力抑制を行う必要があります。

このため,当社は,火力・バイオマス・太陽光・風力の各発電事業者の皆さまに,出力抑制にご対応いただく具体的な内容につきまして,今年度内を目途に書面の送付など準備を進めていくこととしました。

当社といたしましては,引き続き,電力の安定供給に万全を期しながら,再エネの最大限の活用と導入に努めてまいります。

この内容は、2016年12月20日四国電力にて報告された
『四国電力における再生可能エネルギーの導入量増加に伴う発電事業者への優先給電ルールのお知らせについて』

と同じ内容のものです。

にて、四国電力では出力制御実施へのカウントダウン状況について説明しました。
中国電力でも、四国電力に送れること約2年ということになりますが、
いよいよカウントダウンが始まったということでしょう。
ここから先、各発電事業者には具体的な対応方法の指示が連絡されてくることになります。
これについては、四国電力地域 出力制御実施へのカウントダウンが参考になると思います。

中国電力における出力制御枠と取り扱い

下記は、2018年7月11日に中国電力より発表された資料からの抜粋です。
(出典:中国電力『太陽光発電設備の30日等出力制御枠への到達について』

当社は,本日,太陽光発電設備の接続済および接続申込済量が30日等出力制御枠※1である660万kWに到達しましたので,お知らせします。

このため,平成30年7月12日以降に,当社送配電系統への太陽光発電設備の接続契約申込みを受け付けた場合,指定電気事業者※2制度のもと,年間360時間を超えた無補償での出力制御に同意していただくことを前提に,接続が可能となります。

当社としては,引き続き,再生可能エネルギーの出力制御時間の低減に向けて,最大限取り組んでまいります。

 

その結果、出力制御に対する対応は、以下の通りとなっています。

中国電力出力制御取り扱い(20180711)

出典:中国電力

 

上記は接続申し込み量が、30日等出力制御枠を超えたことがわかりますが、
では実際の接続済の量はどうなっているかみてみましょう。

 

中国電力での直近の太陽光発電接続済量

下記グラフは、2018年12月7日現在の中国電力での太陽光発電接続済量および接続申請済量です。

中国電力地域太陽光発電接続状況(2018年12月7日現在)

出典:中国電力

 

30日出力制御枠660万kWに対して、

出力済量は418万kW
接続申し込み済を合わせると727万kW

となっています。

 

では、この数字が、どの程度出力制御リスクのある数字なのかみてみましょう。

中国電力での2019年の出力制御リスクは?

2018年11月12日の
第18回 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会 系統ワーキンググループ

の中国電力の資料試算によると、
2017年の昼間の最低需要日である4月23日の電力需要をベースにした
電力需給バランスは以下の表の通りです。

 

例年4~5月の晴天の休日が、1年間で最も出力制御リスクの高い時期だと言われています。

この時期は、真夏並みに太陽光発電の発電量が高いにもかかわらず、冷暖房など不要なため電力需要は低いため
正午付近の電力が余る傾向にあるためです。

中国電力 電力需給バランス

出典:中国電力

太陽光発電量がピーク時期である13時の電力需要は532.6kW

これに対して、

 

域外への送電がゼロの場合は、
余剰電力303.7kW分を再エネ出力制御する必要あり

域外送電104kWを使用しても
余剰電力199.7kW分を再エネ出力制御する必要あり

 

との試算となっています。

 

ただし、前提条件としては

・原子力発電量 174.6kW
・火力や水力は昼間は出力を落とす
・揚水活用により電力消費を171kW増やす
・太陽光発電量は 620.9kW

となっています。

 

まず、原子力発電は、
島根原電2号3号合わせて設備容量219,3kWを
稼働率79.6%で試算しているのですが現段階で未稼働です。

 

そして、太陽光発電量の前提条件である620.9kWの発電量も、まだありません。

本記事で先に示した直近の太陽光発電接続済量のグラフを見ると、
2019年には600万kWどころか、500万kWレベルまで到達するかしないか、
といったところではないでしょうか?

 

以上より

原発が稼働しない限り
2019年に中国電力地域で出力制御が実施されるリスクは現段階では低い、
ということが言えるでしょう。
(逆に言うと、原発が2基とも稼働すると、現状の太陽光接続量でも
出力制御が入る可能性は高くなります

 

ただ、すでに出力申請済が700万kWを超えていることを考えると。
原発稼働を待たずとも、いずれ実施されてしまうこととなりますね。

 

気になる原発の稼働はいつなのか、はまだ確定していませんが、
中国電力としては、島根原発2号3号ともに、着実に稼働に向けて準備を進めているようです。
(参考記事:中国電力社長インタビュー記事

 

まとめ

先に紹介した中国電力からの2018年11月13日のプレスリリース
中国エリアにおける再生可能エネルギーの設備量増加に伴う発電事業者への優先給電ルールのお知らせについて

ですが、

四国電力の場合に、伊方原発が再稼働された4ヵ月後にこれと同じ内容のプレスリリースが出されたことを考えると、
中国電力の場合も島根原発の稼働が近いようにも思われてなりません。

 

その場合、すでに見てきたように、域外送電を使用した場合でも出力制御は実施されてしまうでしょう。

そうでない場合は、2019年にはまだ出力制御は回避できると考えられます。

 

 

 

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