最近、太陽光発電に関して、
FIT制度・審査基準の見直しや
九州電力では出力抑制が実施されるなど、
あまり景気のよい話はありませんね。

もう国による太陽光発電普及の後押しは、
打ち切られるのではないか、
と危惧をするべきなのかもしれません。

では、実際に太陽光発電は増えすぎたのか?
そんな素朴な疑問を検証してみました。

期限切れカウントダウン

●最近の太陽光発電への風当たり

・2017年FIT制度見直しにより新規設置審査が厳しくなり、申請許可済の設備・出力変更も変更認定が必要となった
(当ブログ記事:太陽光発電 2017年改訂FIT制度の導入背景と効果 )

・認定済の発電所でも認定取り消しにより、認定済件数が大幅減
(同上記事)


・更にメンテナンス基準など、厳格化の方向
(日経新聞:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37208690R01C18A1CC1000/

・九州電力では出力抑制を離島以外で初めて実施
(日経新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36461050T11C18A0MM0000/

と太陽光発電にとって、逆風と感じる今日この頃です。

これは、近々にも、FIT制度から太陽光発電が対象外となってしまうのではないか?

と考えてしまいます。

実際のところ、国が考えることですから、
いつ政策転換があっても不思議ではないのかもしれませんが、
今一度、経産省の掲げるエネルギー政策を元に、
太陽光発電は単純に増え過ぎてしまったかどうか、検証してみました。

●再生可能エネルギーの普及状況

2012年にFIT制度が実施されてからの、
再生可能エネルギーの設備容量推移を今一度よく見てみましょう。

再生可能エネルギー設備容量と賦課金推移

出展:経済産業省 資源エネルギー庁 2017年3月

 

2012年以降、再生可能エネルギーは30%近くも伸びていますが、
その伸びは、明らかに太陽光発電に偏り過ぎに見えます。

これと同時に、国民の負担する、
電力賦課金の総額も大幅に伸長していることがわかります。

 

これらの背景により、2017年に改正FIT制度が施行され、
・太陽光発電のFIT買取価格の中長期目標の明示(2018年度18円/kWh→2030年度7円/kWh)
・新認定制度による新規設置審査の厳格化と認定済不適正未稼働物件の排除や高買取単価認定物件の出力増加の制限

と、太陽光発電の普及に事実上の待ったがかかりました。

その結果
産業用太陽光においては、

認定済件数が
2016年 11月で894,804件 あったものが
2018年 3月で 685,594件

と減少してしまったことは、
本ブログの記事:太陽光発電 2017年改訂FIT制度の導入背景と効果

でも書いた通りです。

●設備容量だけを見ては判断を誤る

太陽光発電の認定状況と導入設備量の最新の情報は、
経済産業省 資源エネルギー庁 から公表されています。
(2018年10月17日公表更新)

このデータをもとに、2018年3月の設備稼働率を求めてみました。

2018年 3月末 再生可能エネルギー認定量と導入量

設備稼働率は、24時間 31日間 稼働した場合の発電量を100%として算出しています。

水力、地熱、バイオマスが約60%以上の稼働率となっているのに対し、
太陽光発電は住宅用で8.6%、産業用で15.0% しかありません。

太陽光は、日中しか発電しない、あるいは、
日中でも天候によっては発電量が落ちるため、
設備容量に対して発電量が大幅に落ちることが稼働率に表れています。

また、住宅用は、発電した電力を自宅で消費して
余った電力を売電に回していますので、
売電としての稼働率はさらに落ちるでしょう。

したがって、太陽光発電の設備稼働率は、
産業用の15%が目安と言えるでしょう。

 

下記グラフは、経産省が公表しているデータです。
太陽光発電の設備稼働率は年間で12~13%といったところなのがわかります。

電源別設備稼働率

 

したがって、確かに2012年以降、確かに設備容量は太陽光は大幅に伸長してきましたが、
電力量でみると、設備容量の1/7程度しか電力に寄与しないのです。

●2030年の電力需給予測

では、国は将来どこまで太陽光発電を増やそうとしているのでしょうか。

下記は、2015年7月に経産省が公表した、2030年の電力需給です。

長期エネルギー需給予測

出典:2015年-7月 経産省

 

日本の電力需要
2030年 で9808億kWh

これに対して、適切なエネルギーミックスを実現することで、
10650億kWhの電力を確保する、としています。

そのとき、再生可能エネルギーは22~24%の占有率
そして、太陽光発電に限定すると7%の占有率

としています。

10650億kWhの7%というと、745.5憶kWhとなります。

 

これを設備稼働率13%の太陽光発電で供給する場合の必要設備容量は、
745.5億kWh÷0.13÷(24h×365日) = 0.6546億kW

 

すなわち、
約6500万kW の設備容量

2030年に必要な太陽光発電の設備容量ということです。

●2030年に必要な設備容量はすでに認定済

もう一度、先ほどの表を見ると、

2018年 3月末 再生可能エネルギー認定量と導入量
2018年3月末の段階で、
導入済の設備は
住宅用1012万kW
産業用3377万kW
合計 4389万kW

と2030年必要とされる6500万kWには達していませんが、

認定済設備容量は
住宅用 575.4万kW
産業用6443.4万kW

となんと2030年に必要とされる6500万kWに達してしまっています

このデータの住宅用分には、2017年4月以降の認定失効分がまだ反映されていない、
ということですので、さらに減る可能性はありますが、

産業用の認定済分が全て稼働を始めるならば、
2030年に経産省が想定している太陽光発電の発電量をすでに達成できる計算となります。

●2015年3月にはすでに想定を超えていた

実は、認定された設備容量は
2015年3月段階で住宅用・産業用合わせて8200万kWに達していました。

 

しかし、経産省はようやく2017年4月より改正FIT制度を施行し、
認定済未稼働の物件の認定取り消しなどにより
現在の認定量にまで削減したわけですが、
対応があまりにも遅すぎたと言わざるをえません。

その結果が、2017年度に2兆円を超える賦課金となって
国民に大きな負担を強いているのです。

 

ただ、経産省はここにきて、
さらに高価格買取物件の削減に乗り出しています。
(日経新聞:未稼働の太陽光、買い取り価格を減額 2012~14年度分

 

●まとめ

2030年に必要とされている
太陽光発電設備容量約6500万kWに対して、
認定済設備容量は約7000万kWに達しています。

これらが全て稼働するならば、
これ以上FIT制度による固定買取保証をしてまで
新規認定をしていく必要性はないといえるでしょう。

しかし、未稼働物件はまだまだ産業用でも3000万kW分もあり、
これらがさらに認定取り消しにならない、とはいえない状況です。

経産省としては、FIT制度初期の高買取物件については、
様々な規制をかけて稼働阻止あるいは単価ダウン

という方向に誘導していくものと考えられます。

 

また、稼働済でも住宅用については
2019年から10年の固定買取期間を満了するものがでてくるため、
どの程度継続稼働するかどうか不透明なところといえるでしょう。

 

したがって、まだ今年度でFITの新規受付は終了する、
というところまでの判断はされないものと思われますが、
2019年度が最終となる可能性も十分あります。

FIT制度を利用した太陽光発電への投資は、
もはやカウントダウンに入ったのではないでしょうか。

土地付き太陽光発電への投資をお考えなら
土地付き太陽光発電に投資してみませんか?
タイナビ発電所

土地付き太陽光発電に投資してみませんか?
でも投資である以上、情報不足は致命的です。

日本初の土地付き太陽光発電物件の検索サイトであるタイナビ発電なら、
きっと満足な情報が得られるでしょう。

掲載企業数は345社にも上るのです。

おすすめの記事