太陽光発電を始めとした再生可能エネルギーは、
政府によるFIT制度(固定買取価格保証制度)により、
長期期間の買取単価が保証されていることが魅力です。

FIT制度は、2012年7月から導入されましたが、
導入後の状況を鑑みて、2017年に改正FIT制度に移行しました。

ここでは、2017年改訂FIT制度の導入背景と、
2018年10月現在、
その影響がどのように出ているのか、まとめてみました。

太陽光発電システム

●FIT制度とは

2012年7月に政府による固定価格での買取制度がスタートしました。

太陽光発電の場合は、
出力10kW未満で10年間
出力10kW以上で20年間

固定単価保証が適用されることから、
投資用として10kW以上の太陽光発電が人気を集めたわけです。

ただし、その固定価格を支えるために、以下のように
各家庭を始めとした電力消費者に賦課金を負担してもらっているわけです。

FIT制度の仕組み

出展:経産省

FIT制度とその買取単価につきましては、次の記事もご参照ください。
参考記事:太陽光発電におけるFIT制度と買取単価は今後どうなる?

●2017年改訂FIT制度導入の背景

2012年にFIT導入後、
再生可能ネネルギーの普及と賦課金が
どのように推移してきたのかが、
経産省によって開示されています。

再生可能エネルギー設備容量と賦課金推移

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 2017年3月

左のグラフによれば、
2012年(平成24年)のFIT制度導入後、
再生可能エネルギーの設備容量は
2015年までの3年間で30%近く伸長していますが、
その内容のほとんどが太陽光発電に偏っていることがわかります。

また、右グラフを見ると
それに伴って、年々賦課金が増えており、
各家庭への負担が増えていることがわかります。

 

しかしながら、このように伸長している再生可能エネルギーですが、
2016年段階での日本の再生可能エネルギー比率は14.5%に過ぎません。

国別エネルギー源比率

出典:資源エネルギー庁調べ

 

したがって国の方針としては引き続き

2030年に
再生可能エネルギー比率を22~24%に高めて
エネルギーミックス(最適なエネルギー資源配分)を実現すること

が目標となります。

そこで、経産省は、
再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立
を図るべく、
2017年4月より改正FIT制度を施行しました。

●改正FIT制度 太陽光発電にかかわること

改正FIT制度の中で、太陽光発電にかかわる主な内容を以下にあげます。

太陽光発電については
・太陽光発電に偏った導入状況を改善する
・国民の賦課金負担を減らす

ことを目的として、

1.新認定制度の創設
2.中長期的な買取価格目標の設定

がなされています。

1.新認定制度の創設

以下は、2012年(平成24年)FIT制度導入後の認定容量と
実際に導入された設備容量の推移を表しています。

再生可能エネルギー導入状況vs認定容量

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 2017年3月

 

産業用太陽光に関していうと、
2012年7月~2016年11月の間で、

FIT制度導入後認定された発電所
件数894,804件 設備容量7,567万kW

に対して

稼働している発電所
件数442,784件 設備容量2709万kW

と、件数で約1/2、設備容量では約1/3しか稼働していない
ことがわかります。

認定済約90万件のうち、
約45万件もの設備が未稼働な状況なのです。

 

2013年~2015年の実績を見ると、
年間10万件以上は新規稼働していますので、

認定後、稼働するまでの工事期間は
通常半年以内で済みますから、
45万件もの設備が未稼働なのは不自然です。

すなわち、実際に認定を受けても、
なんらかの理由で稼働ができない・しないことを表しています。

 

稼働できない理由としては
・土地がそもそも太陽光発電に適していない
・投資できる予算がない
・販売業者が悪徳業者で、全く事業開始の見込みがない

稼働しない理由としては
・高い買取単価での認定だけ先に受けておいて、技術革新による効率の高い設備を導入して設けようとする事業者がいる(すなわちわざと導入を遅らせる)

など、FIT制度導入後、
様々な問題が太陽光発電に関しては発生してきました。

その結果、申請はしたけれども、稼働できない・しない、
という案件が多発しているわけです。

 

特に、先に高単価で認定を受けて、わざと稼働を遅らせて
より発電量の大きい発電所をつくろうというものは、

賦課金負担を減らすためには、ぜひとも排除しなければなりません。

 

そこで、今回の改訂FIT制度では、
新認定制度を導入することで、
このような未稼働の発電所を排除していくこととなりました。

主な内容としては
・認定取得後、10kW以上は3年以内、10kW未満は1年以内に稼働すること
・1つの場所での分割申請の禁止(わざと50kW未満に分割して低圧連系での申請をすうことを防止)
・保守点検・維持管理の責任者と計画が事前申請時必要
・事業を廃止する際の設備廃棄費用が事業計画において計上されていること
・発電事業者の氏名・名称等を書いた標識を掲げること
・あらかじめ設置する土地の所有権あるいは貸与を受ける権限等を取得できる書類が整っていること
・関連法令(各自治体の法令含む)を遵守していること
・発電設備の形態や出力変更については変更認定を受けること(この場合、新買取単価が適用される)

といった内容となります。

総じて、申請時の審査が厳しくなったほか、
上記の最後の項目では、

高買取単価を維持しながらの設備変更に制限を加える形となりました(以下 囲み記事参考)。

資源エネルギー庁より(2017年8月)
資源エネルギー庁により、以下の通り
設備の出力変更に対して以下の通り明確に変更認定申請がが必要であること、
基準外に出力変更のある場合は売電価格が変更になる旨が説明されています。

http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_point.html#point

これにより、認定後にパネルの後付け増設により過積載率をアップさせる変更の場合、
新単価が適用されることが明確になりました。

改正ポイント 1
「太陽電池の合計出力」の変更手続きが「変更届出」から「変更認定申請」に変わります。その上で、「太陽電池の合計出力」を3%以上又は3kW以上増加させる場合、もしくは20%以上減少させる場合は、調達価格が変更認定時の価格に変更されます。(施行規則第9条第11項、告示第2条第7項関係)

よくあるお問い合わせ
Q1.すべての太陽光発電設備が対象ですか?
A.10kW未満の設備は対象外です。

Q2. 具体的にどういう場合に価格が変更になるのですか?
A.認定をとった後に、太陽光パネルの合計出力に以下の変更があった場合、価格が変わります。
(1)太陽光パネルを増設したり、効率の良い太陽光パネルを使用したりすることにより、太陽光パネルの合計出力100kW以下の発電設備であれば3%以上の増加、合計出力100kW以上の発電設備であれば3kW以上の増加があった場合に、価格が変わります。例えば、太陽光パネルの合計出力49.5kWの施設が51.0kWになる場合は、3.03%の増加となるため価格が変わります。
(2)太陽光パネルの枚数を減らすことなどにより、合計出力が20%以上減少する場合は、価格が変わります。
Q3. 増加分だけが価格変更になりますか?
A. 増加分だけではなく、発電設備全体の調達価格が変更認定時の価格に変更されます。
Q4. 3%未満かつ3kW未満の増加であれば、変更認定申請は不要ですか?
A. 太陽光パネルの合計出力を変更する場合は、全て変更認定申請が必要になります。
ただし、3%未満かつ3kW未満の増加であれば、価格は変更にはなりません。
Q5. 過積載は、今後は禁止ですか?
A. 過積載にはメリットもあるので、禁止にはしません。新規の認定申請時に過積載状態で申請をしても認定を取得することができます。ただし、認定取得後に事後的にパネルを増設する場合は、価格を変更して事業を継続していただくことになります。

2.中長期的な買取価格目標の設定

以下の経産省の資料でわかるように
産業用太陽光発電に関しては

2020年 14円/kWh
2030年 7円/kWh

という数字が明確に示されました。

 

FIT買取単価推移と目標

●改訂FIT制度導入の効果

太陽光発電の認定状況と導入設備量が
経済産業省 資源エネルギー庁 から公表されています。
(2018年10月17日公表更新)

これによると産業用太陽光発電の状況は
2018年3月末段階で、

新規認定の容量と件数は

認定量
6,443.4万kW
685,594件

導入量
3350.8万kW
518,260件

と、
容量では、52%
件数では約75%

が実際に稼働しています。

これは、2016年11月段階の
容量で1/3
件数で1/2
しか稼働していなかったことを考えると、大幅に改善していると言えるでしょう

また、認定件数が
2016年11月段階では、
894,804件

あったのに対して、
2018年3月段階では、
685,594件

に減っていますが、
新FIT制度に移行する段階で、
移行前に認定されていたものが認定失効することで
件数が減ったことを反映しています。

このように、適正でなかった申請分が失効する、
という効果も出ているようです。

審査厳格化により審査期間の長期化も

ただし、新FIT制度により申請審査が厳しくなったことにより、
審査期間も伸びているようです。

私が2018年度の買取単価18円の物件の購入を決めて、
販売業者と契約を交わしたのは
2018年6月のことでしたが、
この段階で2017年度申請分の審査がまだ終了しておらず、
2018年度の申請受付が始まったのは2018年8月に入ってからです。

現段階でも審査は継続されており、
審査途中で書類不備の指摘など、
まだ審査に時間がかかりそうです。

したがって、タイミングにもよるかもしれませんが
太陽光発電の購入を決めても、
実際の稼働までには、半年~1年ほどはかかるかもしれませんね。

●まとめ

2017年新FIT制度により
2012年から施行されているFIT制度からの見直しにより

申請審査の厳格化

が実施しれています。

 

これは、決して太陽光発電の普及を妨げるものではなく、
不適正な発電事業を排除することで、
より、正常な普及を促進するものだと考えられます。

 

まだまだ日本は、再生可能エネルギーの普及率が低い国です。
今後も、より適正に普及させていくために、
制度の見直しは随時入ると思いますが、
それは、歓迎すべきことなのだと思います。

 

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